Clipa Theater『ORPHEUS』
Edinburgh Festival Fringe
07年8月
@Assembly AURORA NOVA
ん〜、よかった。コンテンポラリーダンス大国、イスラエルのカンパニーです(昨年来日してます)。僕の知るところでは、インバル・ピントやパパ・タラフマラのような世界に近いかな。でもそれらのカンパニーのようにダンサー達の圧倒的な技量では見せなくて、どちらかというとアイデアに富んだ舞台美術や小道具で上手にシーン構成、空間構築して見せていく。
なんといっても2人だけのダンサーで、あれだけの展開を見せていった構成力がさすがです。実際、途中まで4人ぐらいいるのかと思って見ていたぐらい。カーテンコールで出てきた姿は2人とも剃髪していて(そして白塗りですし)、まるで舞踏家のようでした。(ちなみにチラシには大野慶人のレビューが引用されています)
作品内では薄汚れた服とボサボサに伸びた髪で、落ちぶれたピエロのような姿の2人。体が箪笥になっている不気味なからくり人形と戯れる女性。稲穂の伸びる傍らでうずくまる男性。オルフェウスの元ネタのストーリーを知らないので何ですが、荒涼としながらもどこか温かみのある光景は、なにか日本の原風景ような趣も。
一転して、透明のパネルが無数に吊り下げられた美術セットに光があたると、夢の中のような幻想的な空間に。奇妙な夢の世界と、現実とを行き来するように舞台は進みます。全編を通じて音楽の力強さも印象的で(何の曲なんだろう?)、非常に満足度の高い公演でした。