contact Gonzo『the vanishing paragraph and the clouds of hell』
PAMO@720 アワード グランプリ受賞記念公演
08年9月6日 19:00
@OBP円形ホール
contact Gonzo大阪凱旋。山篭り@フィンランド、せいこうナイト@東京を経て、本日は昨年のPAMO@720アワードグランプリの受賞記念公演であります。ちなみにこのあとも、南京、横浜、ソウル、金沢と快進撃が続きます。
会場はフラットでだだ広い円形ホール。まったく舞台らしい舞台もなく、中央だけ一段二段と低くなって観客がそのまわりを思い思いに囲む。囲んで見下ろす視線は闘技場のようともいえるが、実際はまったく殺伐としていなく、むしろほのぼのです。
これから舞台公演が始まるとは思えない雑然さ。リハ中の会場のようにパイプ椅子と長机が無造作に置かれている。フィンランドで山篭りした時のものだろうか、薄汚れたテントも張られている。スタッフはまだ照明器具の調整をしている。出演者はそのへんを普通にふらふらしている。ガラクタがばら撒かれていて、子供がそれで遊んでいる。向こうのほうでは木の粉を巻き上げて、誰かが大工仕事をしている。人工太陽の光が降り注ぐ、宇宙船の中のようだと思った。
どんな始まり方をしただろうか、あまり覚えていない。いつものように、始まるともなく始まったのだと思う。contact Gonzoはまた一人メンバーが増えていた。また、今公演ではゴンゾのメンバーだけでなく客演もあり。おじさんが寝転がっていたりする。ビデオや写真のひとも、パフォーマンスの中へ。照明さんもときどき現れては、こっちの明かりを消したり、あっちの明かりを点けたりする。大工さんは向こうのほうから、手作りの橋げたを繋げて徐々に中央までやってくる。窪みの中央まで橋をのばすと、その先端に電灯を立てて明かりを点す。
このようなシチュエーションの中、ゴンゾメンバーはいつものように殴りあう。これまでと比べて、かなり演劇的な内容と言えなくもないが、そう単純な話でもなくて、そのあたりの薄皮一枚な感覚が面白い。劇場という箱の中に、またどこかのストリートや公園のような風景を呼び込んでくるという、contact Gonzoならではの独特な世界。虚実の感覚が宙に浮いているような空間。固唾を呑んでその劇的展開を見つめながらも、途中、殴りあってるゴンゾメンバーに向けて、客席にいた小さな子供から「ガンバレ〜ガンバレ〜」とかわいい声援が送られ出演者含め皆でなごむ。その瞬間、これぞ、という感じがしました。
出演:
臼井沙代子/エイチエムピー・シアターカンパニー
白石紗知子
白藤垂人/hitori工務店
三浦あさ子
艸【sou】岸田緑
中嶋佑一/artburt
西川啓一/VJ (監修:甲斐賢治)
the Mekong Tiger (and the great paradox)
きゃない
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垣尾優
三ヶ尻敬悟
加藤至
塚原悠也