ダンスピクニック(contact Gonzo、大橋可也・東野祥子)
びわ湖ホール夏のフェスティバル2007
07年8月
びわ湖ホール ホワイエ
日本前衛芸術の巨人の名を冠した吉原治良賞、そして大阪21世紀協会によるpamoアワードと立て続けに受賞、快進撃を続けるcontactgonzo。ここで初めて観る人も多かったんではなかろうか。かなりヘンなことをしているのですけど、それをけっこう楽しそうに眺めている観客。それはたぶん、ドキュメントとしての面白さ。演出なのかガチなのか。虚実皮膜。そりゃもちろん、ある意図のもとでアートパフォーマンスとして上演されているわけですが、ふと、バチンとするどい張り手が入ったり、ゴツンと重たく地面に叩きつけられたりすると、フッと虚の空間が裂けて実が顔を覗かせる。その往還がスリリング。
東野は、大橋によって人形か死体ように抱えられて出てくる。ごく薄い布に覆われただけの身体が、実験台のような台上に寝かされる。大橋は傍らで静かになにか機器を操る。アンドロイドとマッドサイエンティストのよう。大橋は、その場で即興的に音響を操作し、東野はそれに感応するように痙攣し悶えた。冷んやりしたロビー空間で行われたが、どうしようもなく浮いていた。もっと適した空間がこのびわ湖ホール内になかったのだろうか。