▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


ローザス『デッシュ(ザ・セカンド・パート・オブ・ザ・ナイト)』

cannon262007-04-14

07年4月
びわ湖ホール 中ホール

やっぱ2階のほうが良かったかもしれない。今までに観た『レイン』と『ビッチェズ・ブリュー』は、実は両方とも2階席から観たのです。それはまあ、単純に1階席高いなあと思ったのと、例によって前売り買うのに出遅れたからなのですが、、でもですね、これがまじで2階席で大正解。舞台上のダンサーが生み出す、あの息を飲むような流れの全容は1階席からは絶対見れません。上からのみ。いわばナスカの地上絵みたいなもんです。

(※たまに上から見たいと思わされる舞台って実際にある。先日のj.a.m.Dance Theatreとか。書き残してるけどあとで書きます)

さて今回は、3名だけのコンパクトな作品だという事もあり、1階席に陣取ったわけです。ソロ、デュオ、トリオを織り交ぜ全5幕。やはり3人が一緒に舞台にのると、そこにローザスならではの流動美&ダンサー同士の呼応の妙が生まれてくる。砂煙が舞うように仕込まれた床(何かの粉を塗りつけて乾燥させたものらしい)のこすれ模様を含め、上からはいいもんが見れたんじゃなかろうか。

なお、ソロやデュオでも体の動き自体は流れるようなムーブメントが特徴的でしたが、それは少々退屈にてうつらうつら。デュオにおいて顕著な容認されたズレの恐怖(?)なども非常に興味深いですが、後ろの席だったので集中して楽しめずでした。見所だったのはサルヴァ・サンチェスのソロパート。コルトレーンで踊る。普通にかっこいい。

ところで再度、ダンサーが動くたびに床からぶわっと舞いあがる砂塵について。05年7月のサシャ・ヴァルツ&ゲスツ『d'avant』@びわ湖も同じような演出がすごく印象的だったことを思い出した。ヨーロッパではひそかに流行ってるのかもな。もしかすると、山海塾あたりが源流ではないかと妄想。たまに鋭く動くときに、白塗りの粉が体からぶわっと舞うあれ、わたし前々から好きなんですよねー。

さて、今作はインド音楽とジャズが共通して持っている即興性に対する興味を核にした創作になっているそう。ポストトークでもお客さんから、即興と振付の関係について教えてとコアな質問もとぶ。とりあえずそれらは二項対立するもんじゃないよ、というような事は言っていましたね。このへんの話は個人的にもアツいテーマなのでぼちぼち考えつつまたおいおい。

振付:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、サルヴァ・サンチェス
出演:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、サルヴァ・サンチェス、マリオン・バレスター
音楽:インド古典音楽、ジョン・コルトレーン『インディア』ほか

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