▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


黒子さなえ/take-bow『カケラ-kakera-』

cannon262007-02-22

07年2月
アートコンプレックス1928

まずはソロの『白日夢 [改訂版]』。インタビュー(明倫art 2月)によると、演出アシスタントに野田まどかを迎えて、完全に振り写しをしながら制作したらしい。だから振りはきっちり付いてるってことか。でも観てるとすごく即興っぽくて生々しい。

その後、即興シリーズの『オトノカケラ -gekijyou-』。普段はライブスペースなどで行うことが多いのですが、今回は劇場版です。なぜか照明がtake-bow(ギター)のほうをよく照らしていたのはちょっとマイナスに思いました。舞台上もいまいち集中を欠くように感じた。

普段、ライブな現場での即興パフォーマンスで活きるダンサーの劇場公演、となるとわりといまひとつな感が共通してしてしまいます。例えば東野祥子などがそう。やはり空間や時間や照明や作品コンセプトなどがつくる枠組みが息苦しいのか、陸に上がった魚に見えなくもない。

岩下徹がこんなことを言っている。

私はいわゆる純粋即興、完全即興といわれるものばかりずっとやってきたんですね。そのこともあってか、即興に行き詰まりを感じておりまして。(中略)純粋即興・完全即興しかやらないということは自分にとっていつもやっていること、慣れ親しんでいること、自分にとって居心地の良い世界に安住しているということではないかと思い始めたんですね。ですから即興といってもいろいろなやり方があるのではないか、そこに自分から積極的に飛び込んでいく必要があるのではないかと思ったんですね。それで去年山田せつ子さんの枇杷系の「愛情十八番」という作品に出演させていただきまして。山田せつ子さんのコンセプトの非常にきっちりした作品で、その枠組みの中でいかに即興性を発揮するか、ということは自分にとっての挑戦だったんですけども。それも難しくてずいぶん苦戦しました。
http://www.tp-kac.com/KAC_TP_j_text.html(「演劇計画2006」のサイトより)

岩下徹が苦戦するぐらいなのだ。そりゃ難しいわ。振付とは?即興とは?みたいな事って個人的には今まであまり興味なかったけど、最近そのあたりの面白みが分かってきたかも。観るほうも難しいけど。思うに、即興と振付を白か黒かみたいな二分法で考えがちなのがよくないのかもしれない。先日のプロレスの話じゃないですが。

水を得た魚
「即興セッション」(06年1月)《岩下徹と東野祥子の共演》
「シキのコンクリート《散文抄》」(05年11月)《黒子さなえと東野祥子の共演》