まことクラヴ『むつかしはなし』
ダンストリエンナーレTOKYO2006 Dプログラム
06年11月
青山円形劇場場
まことクラヴの“ま”はホントは逆向いてクルってなってます。久しぶりのまことクラヴ。前に観たときは、マイム的なシーンが多くて水と油っぽいなあと思った。そのあと、今では賞もいくつか獲ったりして、かなり評価の高いカンパニーになってます。
いつものジャージ姿。今作は“本を読む”という行為をベースにして、さまざまな動きを繰り出す趣向です。基本的にコント志向のシーンづくりをしていて、おもしろく見れる。動きに対するアイデアも豊富で楽しいです。パンフには「受動態、二次的な所作、無為的行為から立ち上がる行為に主眼を置く試み」とあります。ベタにダンスをつくろうとしてないんですね。ただそのかわり、ほんとに独創的で刺激的な“動き”はないですが。これが生まれたらすごいな。注目しとこう。
それから特に面白かったのが演出面。演奏家に円形劇場の周囲を歩きながら演奏させて不思議なサラウンド空間にしたり、舞台袖とつながる複数のドアからの出入りをうまく使ったり。照明もいい。どこか素朴な味わいがあって、ほのぼの系だけどきっちりスタイリッシュ。まさにジャージをおしゃれに着こなす、あのセンス。とてもいいカンパニーだと思う。
小スペースで短い尺だと、わりと普通のマイム系パフォーマンスに見えてしまうと思うので、大きな作品をおすすめします。あと、サイトスペシフィックな作品づくりに一番本領を発揮するようで、そういう公演は見逃せません。岡山のdamda!でそんな面白い企画をいくつかやっていましたね。実はそのおかげで、まことクラヴって岡山を本拠にやってるのかと思ってました。。。