テレビの芸能もいよいよ終わったか(今更かもしれませんが)
「せやねん」(MBS)という朝の芸能バラエティを観た。たむけんが大道芸のおじさんを取材していた。日本刀の刃の上でコマを回すという芸を披露されていた。その時、画面下には「日本刀には細工がしてあります」というテロップが出た。
ああなるほど、そのテロップがないと捏造疑惑がかけられるわけですね。
そのあと、たむけんとトミーズ健がりそな銀行に体験入社するみたいなロケをやっていた。健が窓口でお客さん相手に面白おかしく接客して笑いを生んでいた。そしてスタジオに戻ったとき、アナウンサーがわざわざ「お客さんには事情を説明してやっています」という説明をした。
ああなるほど、それを言わないとやらせ疑惑がかけられるわけですね。
そういえば、少し前に深夜テレビを観ていたら、永六輔をナビゲーターに日本の芸能を旅するドキュメンタリーをやっていた(この番組)。エンディングで永六輔が「さてテレビは日本の芸能をどう変えたのでしょうか、テレビは芸能にとってどういう場だったのでしょうか」というようなことを語っていた。
先のテロップや説明を目の当たりにするにつけ、捏造騒動のあとさらに、芸能にとってのテレビはまったくもって頓珍漢な方向に進んでいるように見える。
ま、別にええけど。テレビの芸能の時代は終わって、また時代はライブの芸能を求めるようになるだろう。映像を媒体とする芸能はyoutubeなどのウェブ配信が受け皿になるだろう。そうしてテレビの芸能は死を迎える。その誕生を支えた人達がどんどん世を去ってゆくなかで同じように幕を閉じるのだ。まるで墓標のようなエンディングロールに拍手を送りつつ。