▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


大駱駝艦 壺中天『ユピタース』(振鋳:小林裕子)

大駱駝艦壺中天公演 in 大阪
08年9月16日 19:30
@シアターぷらっつ江坂

きらきらとした透明感に、艶やかな幻想性。女性ならではの感性に満たされた作品でした。また、感覚だけでなく、一方でとても理知的に構成された印象も。とある美術の展開に、私は完全にやられました。まさか金魚が一転、照明オペレーターになるとは! あのアイデアと、そこへの持っていき方が素晴らしい。間違いなくベストシーン・オブ・ザ・イヤー(←今作った)の筆頭候補です。

宙に浮かぶ球体の金魚鉢、ふわふわ舞うしゃぼん玉など、どこか宇宙的な世界。と思える一方で、どこぞの遊里遊郭が舞台のようにも思えます。はたまた場面標題を見ると、水中世界をイメージされてるようです。

終盤の流れは圧巻だった。鏡面と舞踏手が半円に囲んだ中央で、全身シルバーで裸体の小林裕子がひとり苦悶するように踊ります。小林裕子の佇まいは、どこか年齢や性差を超越するような現実離れした存在感があって、先ほど苦悶と書きましたが、それも実はよくわからない。昇っているのか、堕ちているのか、その境目で引き裂かれているのか・・・。いずれにしろエネルギーに満たされた最後でした。観終わったあと、かるい放心状態に陥ってしばし動けなかった。

おまけ→お化け屋敷で小林裕子が出てきたら、そりゃ吹っ飛ぶ(夏の後楽園で会えるそうです)。しかし、手の動きの動画とはまたマニアックな。

振鋳・演出・美術:小林裕子
鋳態:小林裕子、八重樫玲子、我妻恵美子、高桑晶子、鉾久奈緒美、藤本梓、梁鐘譽