寺田みさこソロダンス『愛音−AION−』
びわ湖ホール夏のフェスティバル2007
07年7月
びわ湖ホール 大ホール舞台上舞台
坊主頭であらわれてびっくり。パンクやなあ。作品自体もけっして迎合しない挑発的なもの。あからさまに性を扱ってゆく。フェラチオまんまの動作をひたすら繰り返したりする。舞台中央床には割れ目が穿たれていて、中には液体が湛えられている。天井からは白い泡がびちゃびちゃと漏れて、舞台に汚らしく降り積もってゆく。正統的なバレエダンサーでもある寺田が、べちゃべちゃぬるぬるの舞台に堕してふらふらと徘徊する。しかし寺田自身の身体は、そこに卑猥さを宿らすことはない。なにか超越した存在感がさすが。ラストは裸になった自らの身体をゴミ袋にくるんで、割れ目にじゃぼん。静かながら強い舞台でした。しかし、僕自身は特に揺さぶられるところはなかったかな。ダンス的な快楽に乏しいから。