▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


オトノカケラ(黒子さなえ)、ボリショイズ(デグルチーニ)

06年11月
SoundBar 吟遊詩人(弁天町)

大阪環状線の弁天町駅を降りる。古びた交通科学博物館の看板と、すぐ横には神戸大阪を繋ぐ国道43号線が流れる。排ガスの匂いはもはやしないが、取り残された昭和の空気がそこはかとなく淀む町だ。向かう吟遊詩人はまだここから歩いて20分ほど。一昔前までは大阪港の拠点として賑わっていた弁天埠頭に向かう道である。港町らしい広い道路では、冬の入りの寒さが余計に身に染みる。

・・・あまり続けると文章の寒さに身が染みそうなので、ここらへんで。。

というわけで、辺鄙なところにあるなかなかコアな場所だったので、とても刺激的でした。廃墟となったターミナルビルの中にある小さな小さなバーです。手を広げて2つ分ぐらいの幅、奥行きも15mぐらいかな。人の顔が描かれた壁、とりとめのない本棚、お香の匂い、低い椅子。奥のカウンターの前からお店の半分ぐらいまでがチェッカー模様のステージになっています。お客さんも20人も入れば満杯になってしまうぐらい。こんな小さなスペースですがガンガン音出してはち切れんばかり。かなり濃密だけどアットホームな感じがして心地いいです。

黒子さなえはやはりすごかった。どういう訓練というか、意識を持ったらああいう身体操作技術に到達できるんだろうか。プロフィールによると、「解剖学的な解釈」に基づいているそうです。気になる。

ボリショイズもかっこいい。デグルチーニテューバとドラム。って書いたらデグルチーニという楽器があるみたいだな。でもそれぐらいデグルチーニその人が生み出す音世界は個性的で唯一無二。この場所の雰囲気とも相俟って、かなり強烈に自分の中に残った。一生モノ。

オトノカケラ−kakera 18−黒子さなえ:ダンス、take-bow:ギター)

ボリショイズ(デグルチー二:アコーディオン、ワタンベ:ドラム、高岡大祐:テューバ