役者さんは必読の書

「芸能と差別」の深層―三国連太郎・沖浦和光対談 (ちくま文庫)

読み終わる。共に被差別民を出自に持つ（沖浦氏は瀬戸の海民、三國氏は棺桶づくりの民）ことを明確に自覚して、今の仕事に取り組む二人の対談。三國連太郎の芸能史、民俗学、宗教論などの知識の豊富さにびっくり。役者論も読みどころ。

ところで、数年前に「広告批評」のインタビューで浅野忠信が「役者なんて犯罪者と同じぐらいの地位でいいですよ」みたいな事をさらっと言っていて、それから浅野忠信の見方が変わったのだった。こういう考え方をする役者だからこそ、監督からのラブコールが絶えないんだろうな。