BABY-Q『Alarm!』
ロリーナ・二クラスによる振付家のための構成力養成講座〈公開上演〉
04年1月
伊丹アイホール
04年6月
神戸ファッション美術館オルビスホール
今年、04年のトヨタコレオグラフィーアワードを獲得した東野祥子【BABY-Q】、その受賞作品『Alarm!』。「養成講座」ではショートバージョンですが2回観て、そのあとオルビスホールスペシャルとでも言おうか、特殊なスペースを生かしたバージョンを観る。そして、今月末はアワードを受賞しての凱旋(?)公演が控える(もちろん行く)。何回も行ってしまうように、ひとまず、弱っちぃ作品ではないことは確かなのでオススメ。というか、なにより東野祥子。ものすごいダンサー。必見。
養成講座1回目上演>>なにはなくとも東野祥子に釘付け。以前『REMroom』を観た時になぜ発見できなかったのだろう(出演してた?)。照明により四角く区切られた小さなスペース、その背後にはウーファースピーカーが縦横に連なるウォール。シンプルに洗練された空間ながら、音はビシビシ体感される。そこに東野の、原子核融合さながらの(って見たことないけど)危険物指定ダンス。最高。ほかは、ごちゃごちゃとしたシーンがたくさん。この時は、ただただ東野祥子というダンサーを発見したよろこびにひたるのみ。
養成講座2回目上演>>ダンサー東野祥子は言わずもがな。他について書こう。以前、8/22のj.a.m. Dance Theatreの項に書いた事の繰り返しになるが、やはりコラボレーションなる発想が、あまりよろしくない方向で結実した作品のような気がする(カンパニープロフにははっきり「コラボレーション」という語が)。作品全体の雑然としたパワーは魅力ではあるが、このカンパニーには東野の身体があるだけに、その他の要素(美術・衣装・ロボット!など)がなんとも蛇足に見えてしかたがない。難しい…。
オルビスホール>>独特な円型ホール。床にはウーファーシステムが埋め込まれてるらしく、東野“ウーファー”祥子面目躍如の舞台である。低音ががっしり詰まった大音量。すばらしい。音がでかいというのは、それだけでエンターテイメントとしてのひとつの究極を示すものだと、固く信じる私としては天晴れの舞台であった。作品は前回から(尺も伸びたこともあり)、かなりのバージョンアップ。相変わらず、雑多に詰め込まれたシーンがたくさんあり、作品全体としてそれを良しとみるかどうかは、どうだろう、発想は奔放で面白いとは思うが、今作ではまだまだ厳しいところもあった(映像など)。