▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


高岡大祐 独興(solo)

08年10月19日 19:00
@ESPACE POLE POLE(梅田・兎我野町)

このライブをもって、また今年も数ヶ月ベルギー(そしてモロッコ)へ旅立つそうだ。旅のチューバ吹き高岡大祐@ポレポレ。渡航前の区切りという事もあるようで、かなりレアなソロワンマン(僕も初めて)。

同日にダンスファン的にはマストの黒田育世×松本じろもあったが足はこちらへ向いた。初めてその演奏を見てから2年ほどだろうか、でもまだ見るたびに何か驚きがあり発見がある、そんな演奏家です。

チューバならではのド迫力低音が炸裂したかと思うと、ものすごく繊細で奥行きの深い音まで。ホーミーのような音もあれば、吹きながら歌い、がなりもする。とぐろを巻く管の、途中のパーツを外した状態で尺八のような音を奏でもする。

個人的には、そうして吹くためにする吸気(空気を吸い込む)の躍動にゾクゾクする。循環呼吸といい、ずっと吹きながら、そして同時に吸い込み続ける。まさに全身で演奏している。

音楽というよりダンスを見ているみたい、ととっさに書きたくなるが、本来的には、音を奏でることと踊りを踊ることのあいだには何ひとつ本質的な差はないということに気付かされる。まあナマで見てこそ、です。すごく揺さぶられます。根源に触れる思いがする。

その他、先日の子供鉅人の公演のために書き下ろした曲や、塩ビパイプで自作した笛の演奏もあり。ラストではオーディエンス側にいたジャンベ奏者の方が飛び入りで即興セッション。そしてアンコールで吹き、歌われた歌。そうたやすく言葉にできない時間・・・・。



そうだ、循環呼吸までばっちりおさえられた素晴らしい動画がyoutubeにあります。循環してます。


ライブのあいまに高岡さんとモロッコ話も。魅惑のモロッコ。また行きたい。たぶんまたいつか行く。麻薬のような国かも。

つい最近、会社の同僚に「なんでモロッコに行ったん?」と聞かれたのですが、僕の場合そもそものきっかけは四方田犬彦の以下の本、・・・の内容ではなくて(実は未読)、タイトルに惹かれて。大学生の頃にこのタイトルを本屋で目にしてから、なんかモロッコがずっと心に引っかかっていた。モロッコ流謫(るたく)。

モロッコ流謫

モロッコ流謫


今まさにモロッコにいる高岡さんのブログがいろいろ凄いです。興味のある方は検索して探してください。こんど日本に帰ってきた時に、またどんな音楽になっているのか。いちファンとしても、この時間と距離こそがなにより豊かな音楽体験だと思うなあ。年末に帰国予定とのこと。