▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


劇団子供鉅人 演劇公演『音楽劇 電気女夢太る』

08年10月12日 15:00
大阪市立 芸術創造館

珍しく演劇へ。子供鉅人による音楽劇。昨年、アントワープのテント小屋で、ブリュッセルの高架下で大勢のベルジャン相手に怪気炎を上げていたあの人達です。

今年に入ってからは、芸術創造館と精華小劇場の主催する賞を獲ったり、grafとのコラボレーションを行ったり、エルマガにも大きく紹介されたりと注目を集めている。

大阪のアンダーグラウンドなライブシーン、カフェバーシーン(ポコペン)から出てきており、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは違います。会場には「オサレボイズエンガールズ」「シャレオツオーディエンス」(byエルマガ)なお客さんがたくさん。

内容は、なんというか幻想悲喜劇とでも言おうか。バカバカしくて、もの哀しい。あっけらかんとして、いかがわしい。

とある王国に美しい死体が流れ着くことから物語が転がってゆきます。その死体の争奪をめぐってなぜかボクシングの試合が始まったりと、ドタバタなシーンもありつつ、しかし最後は限りなく美しい終幕。消えた王国の跡で、新たに小人の王様と亡霊の王妃様が静かに祝福を受けます。ある種のユートピア思想というか、俗世を離れアジールを希求する物語のように思えました。

また今回は音楽劇ということで舞台上での生演奏も迫力。なんといっても、演奏メンバーの布陣がすごい。オリジナルの歌モノもあり。贅沢な舞台でした。満足満足。

作・演出:益山貴司(劇団 子供鉅人)
出演:劇団 子供鉅人
音楽:子供鉅人オルケストラ
 高岡大祐:tuba ワタンベ:drums, percussion
 ヤブリンコーネ:accordion 瀬戸信行:clarinet
 宮田あずみ:contrabass イガキアキコ:violin