▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


地中池 '08夏の陣 ワンマンライブ!

08年08月
四ツ橋 フィドル倶楽部

バイオリンのことを民族音楽の世界では「フィドル」と呼んだりするそうです。ゲストのDina Maccabeeを含め、フィドル使い2人をフィーチャーした曲のときの、お店のオーナーのひときわ嬉しそうな笑顔が印象的でした。フィドル倶楽部は地下鉄四ツ橋四ツ橋駅を降りてすぐ、雑居ビルの中の小さなライブスペースです。

wikipediaに面白いことが書かれてある。

ヴァイオリンとフィドルの構造はまったく一緒だが、次の言葉が両者の違いを良く示している。
* 「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」
* 「フィドルにビールをこぼしてもだれも泣くものはいない」
wikipedia:フィドル

「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」というのは分かり易い。そういう事です。ちなみに、日本の(僕がよく観る)ジプシーバンドはクラリネットやサックスなどのホーン系が目立ってることが多いと思うんですが(東ヨーロッパとかだと圧倒的に弦楽器なイメージ)、なので、速弾きフィドルは新鮮で格好いいです。

ということで、阿部万里江の再渡米によりしばらく観れないかと思われた地中池。ですが、1月以来の再集結ライブとなりました。新曲もいくつかあり。

残念だったのは、チューバ高岡大祐が怪我療養中につき抜けていた事。でも、一時意識不明に陥るほどの事故だったということは、ブログなどで読んで知っていたので会場の客席からジョークを飛ばす姿を見られただけで良かったです。と、思ったらアンコールでたまらずステージに突入・・・。何をするのかと思ったら、今まで見たこともないような、なにやら奇怪な口笛らしきもの(?)を華麗に演奏。。すげぇ。

普通の口笛のように口はすぼめられず、まるで阿行像のように、なにかを威嚇するかのごとく歯を剥いている。そして、とても透き通ったシャープな高音が、自在に奏でられて出てくる。なにか小さな楽器を口内に仕込んでるのではないかと思うほど。実際はもちろん身体ひとつ。刺激的です。個人的に「プロダクトとしての楽器」に対する興味はここしばらくずっとあったのですが、そこからまた広がった感じ。このあと、高岡氏は手持ちの伸縮式の杖を分解して吹いてました。


追記:例のやつ「歯笛」だそうです。wikipediaによると、口笛より音量が大きく高音なので、牧羊犬のコントロールや鳥寄せ、また日本の海女のあいだでも実用されてるそうです。

阿部万里江/アコーディオン
亀田真司/サックス
イガキアキコ/バイオリン
池田安友子/パーカッション
下村よう子/うた
瀬戸信行/クラリネット
高岡大祐/チューバ
福江元太/ギター
ワタンベ/ドラムス
宮田あずみ/コントラバス
Dina Maccabee/バイオリン(special guest!! from San Francisco)

物販で地中池のライブ盤とボリショイズのアルバムがあったので即買い。