▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


とりふね舞踏舎『ひのもと−ある晴れた、冬の日のお母さまー』

08年6月
@京大西部講堂

とりふね舞踏舎は初めて。京大西部講堂も意外にこれが初めて。自動車部が分解したクルマが無造作に雨ざらしになっていたりする泥砂利の道の奥にあった。古い写真で見るような異様な全景は眺められなくて、なにか奥まったところにひっそりとある印象。入るとさすが木の香りとやや埃っぽい空気がいい匂い。

とりふね舞踏舎は91年旗揚げ。寺山修司天井桟敷などにも参画した三上宥起夫が演出、振付を担当し、舞踏手としては三上賀代がメインに立つ。一般市民を対象にした舞踏グループを傘下に組織していたり(湘南舞踏派)、イギリスでのワークショップなどからもメンバーを加え、総勢30名弱の大所帯。若い人もいれば、西洋人もいれば、おじさんもいる。もちろん皆が高いレベルにあるわけではないがあまり気になりません。裏方に徹している三上宥起夫の構成、演出がびしっと締めている印象。逆にいろんな踊り手が出演していることで、なにか村芝居のような雰囲気があっていい。

内容もある種ウェルメイドというか、幕を閉じたときにきっちり観客を満足させるような展開。カーテンコールも自然に出ますしね。三上宥起夫の仕事人ぶりが窺えます。個人的には、ちょっとベタすぎぃ〜と思うところもありましたが(例えば、善と悪を象徴したような2人の舞踏手の対決とか、見得を切るシーンとか、癒し系ピアノ曲とか・・・)、しかし終わった時には普通に感動して拍手してました。いい作品でした。にしても、若林淳(07年まで大駱駝艦)はものごっつい。しびれました。ソロ公演なんかでもぜひ観たい。

とりふね舞踏舎英国舞踏公演ツアー凱旋
土方巽生誕80周年・寺山修司没後25周年記念
『ひのもと −ある晴れた、冬の日のお母さまー』
出演=三上賀代、湘南舞踏派、英国チェシャーダンス・ワークショップ参加者
ゲスト=玉野黄市(哈爾賓派)、工藤丈輝(東京戯園館)、若林淳、サイトウカオリ(舞踏舎天鶏)
構成・演出・振付:三上宥起夫
作曲:J.A.シーザー