京都コンテンポラリーダンス・ラボ13 コーチングプロジェクト(じゅんじゅん/相原マユコ)
08年2月
@京都芸術センター フリースペース
Coaching 1では、オーディションを通過した7名が、約4ヶ月にわたるワークショップとクリエイションを経て、じゅんじゅんのもとで創作した作品を上演します。
Coaching 2では、j.a.m. Dance Theatreの相原マユコが、Coaching Project出身の若手ダンサーたちと共同製作した作品を上演します。
http://www.kac.or.jp/dance/dance_kcdl13_cp.html
まずは水と油のじゅんじゅん演出・振付『ZOETROPE』。もちろんマイムテクニックがベースの作品。視覚トリックの快感はときにゾクっとするような時空の裂け目をあらわに。ダークアンビエントっぽい音楽がマッチして格好いい。群舞のシーンがなにげに良かったなあ。ワークショップ公演といえど長い時間をかけて作られたのがわかる。ちなみに「ゾエトロープ」というのは古典的なアニメーション装置で、スリットのあいた円筒の内側にコマ送りに描いた絵を回転させる。スリットから覘くと絵がなめらかに動いてみえる、というやつ(参考)。
j.a.m. Dance Theatreの相原マユコ演出・振付『ソウルメイト』はまずチラシのビジュアルが尋常じゃなくグロくてびびる。生茹での肉片や臓器っぽいの、そして無頭のキューピー人形などなどが、できそこないの卵とじ状態になってフライパンを汚く覆っていて、その上をケチャップで「Soul Mate」。暗闇から始まった。その暗い床に光のラインが幾本も浮かび上がる。ダンサー達が這いつくばって匂いを嗅ぎまわっているようだ。吸気音が生々しい。男2人女3人。絡みつくような臭気をまとわせるダンスだと思う。相原マユコの振付は特に独創的なムーヴメントがあるわけではないが、他の振付家と確実に違うのは対人距離感覚か(物理的なということではなく)。それはダンサー同士もそうだし、演者と観客の距離もそう。観てる者の鼻先に突きつけられてくるような感覚がする(追記:ちょっとまて、そういえば前は俯瞰で観たいと書いたな・・・)。まあチラシビジュアルからの連想も多分にあるかもしれないが。ところでとあるシーンで階上からわずかに聞こえていた足音は演出だったのかな。ダンッダンッダンッダンッという音から察せられる歩き方は振り付けっぽかったが。
じゅんじゅん 演出・振付 『ZOETROPE』
振付アシスタント:森川弘和
出演:アミジロウ、市川まや、太田浩輔、木村麻耶、中田裕美子、久井麻世、別府ちひろ
相原マユコ 演出・振付 『ソウルメイト』
出演:今田葉子(j.a.m. Dance Theatre)、太田翔子、高室久志、夏目美和子(schatzkammer)、日置あつし(うさぎ印)