▼このブログについて(更新停止中)
2004〜2009年夏頃までの関西のコンテンポラリーダンス公演をメインとした目撃録です。その時期に関西であったコンテンポラリーダンス公演の8割方は観てると思います。その他、民俗芸能、ストリップ、和太鼓、プロレスなども。2000年の維新派『流星』から見始めて、多い年は年間270本。2007年は、エジンバラフェスティバル、ダンスアンブレラなど半年に渡る欧州漫遊の記。2010年以降もぼちぼち劇場には出かけていますが、更新する時間はなくなり現在放置中のブログです。


CONNECT 精華小劇場公演(子供鉅人、Curriculum Vitae)

08年1月
@精華小劇場

「CONNECT」とは、大阪市の芸術文化拠点施設である大阪市立芸術創造館と精華小劇場が連携して、ジャンルを越えた新しい舞台芸術の可能性を秘めた新進アーティストを発掘し、広く紹介する企画です。
今年度は、公募により集まった19団体/個人の中から1次審査を経て、去る11月23日(祝・金)・24日(土)の2日間に渡り8団体が芸術創造館で公演を行いました。審査員=後藤ひろひと(劇作家・演出家)、谷口純弘(FM802) 、服部滋樹(graf代表)、東野祥子(ダンサー)、ヤノベケンジ(美術家)の観劇により2団体を選出し、精華小劇場で再演します。
http://www.seikatheatre.net/osaka_city.html

とのこと。選ばれた二組の上演です。

まずはクリクルム・ヴィターエ。京都造形大出身の女性二人組。公式サイト見てみると、両名とも日本舞踊の名取さん。そして、他のメンバーの中に面識ある方の名前もあってびっくり、、そういや伝統芸能の話してられたなあ。このクリクルムは神楽などの古い日本の伝統芸能や民俗儀礼を取り入れて作品をつくっています。造形大は伝統芸能のプログラムも充実していて羨ましき限りなのですが(毎年やってる芸能史の公開講座いつか受けたいのだが)、そのような学校からこういうカンパニーが出るというのはグッジョブなことです。

作品はというと、冒頭から静かな静かな展開。客席から現れた二人はゆっくりと舞台に降りてゆき、舞台中央にうずたかく積まれた衣服や布団や椅子やスーツーケースなどの生活雑貨をぶちまけます。一貫してスローな動き。日本舞踊のような振りも見られます。大きな動きはほとんどないのですが、そんな中で音楽の使い方がきちんとスペクタクルな時間を構築していってて、集中して最後まで観ることができました。たった二人で小さな作品なのですが、例えるなら大駱駝艦が天賦典式と称して繰り広げるスペクタクル舞踏と、ある種共通したものも感じました。さあ神楽に金の鉱脈はあるか。ただ単純に儀式儀礼に接近して、なんちゃって前衛をやっているのとは違います。今後も注目です。(ちなみに前日前々日からも随分と演出変わったとのこと)

二組目は、このブログではすでに何度も登場している子供鉅人。ライブの合間のパフォーマンスでは幾度も観ていますが劇場公演は初めて観ます。芝居の世界の中で彼らの作品がどういう位置づけになるのかというのは、僕も演劇あまり観ないので分からないのですが、なにはなくとも益山貴司寛司の兄弟はそれぞれグッと目を引くパフォーマーであります。しかも今回は高岡大祐、ヤブリンコーネ、ワタンベによる生演奏というスペシャルな演出。ただ劇判としてだけでなく、ふとすると劇中世界を楽師として横切っていったりも。どこかネジのずれた悪夢のような世界が、ゆらっと輪郭を揺るがす美しい瞬間でした。

▼上演団体
Curriculum Vitae『寿唄 hogiuta』
 作  渡守希
 出演 渡守希、濱見彰映
子供鉅人『157』
 作・演出 益山貴司
 出演 土器明日香、益山寛司、蔭山徹、真栄田貴豊、益山貴司
 音楽 高岡大祐、ヤブリンコーネ、ワタンベ