Andreja Rauch 『Weavers』
Dance Umbrella 2007
07年10月
@Greenwich Dance Agency : The Borough Hall
一昔前までは市民会館でした、みたいな雰囲気の建物の中にある劇場。この微妙な年代感は好きだ。ロンドン都心からはバスで1時間弱ほど、標準時で有名なグリニッジにあるダンスエージェンシーが運営する劇場です。
まず観客は2階バルコニー席に入れられる。見下ろす形になる下のフロアーが何かステージのようになっているようにも見えるが、暗いので詳細は不明。そうこうしているうちに本ステージに設置されたスクリーンで映像作品が流される。淡い光の差す回廊のような場所で細やかなダンスがひととき。言葉もあるが聞き取れない。
映像が終わるとウィーン…と劇場機構が稼動。なにかと思えば、階下のフロアに蓋をする形で遮っていた装置が吊り上げられた。見下ろすとなにか一風変わったスペースになっているようだ。そこで観客はぞろぞろと立ち上がり階下へ移動。段取りを理解できていない僕はあたふたと後を付いていく(そういえば開場の時にスタッフが何か説明してたわ)。
フラットなスペースになっているフロアには、白くて四角い木の腰掛けが無造作に置かれている。めいめいが自由に選んで腰を落ち着けてゆくと、席が見つからないのかまだうろうろしている人が…、と思ったらその人達がパフォーマーだった。観客のなかを彷徨しつつ小さなダンスがそこここで。
たまに観客に話しかけては場所を移動させてゆく。フロアの真ん中に少しずつスペースが広がってゆく。そうして、その場所で7人ほどによるパフォーマンスが展開される。踊りというよりも、パフォーマーの移動や視線の流れが生み出す空間の構築性が上質。音楽も良い。日本の曲(民謡っぽいの)もあったな。たまにはこういう作品もいいもんです。振付家はLondon Contemporary Dance Schoolを出ているスロヴェニア出身の女性です。
カーテンコールでは、テーブルと飲み物を抱えて出てきてその場にセット。出演者自らついでくれて観客にも振舞われ、あっというまに社交の場に早変わり。おーなんと粋な展開!!