黒沢美香＆大阪ダンサーズ『jazzzzzzz-dance』

07年4月
Art Theater dB

しっかしまあ、この出演陣の強烈さはどうだ。名前が並んでるだけでも壮観です。それぞれ抜群の個性を発揮する関西女性ダンサーが、ベテラン、中堅、若手入りみだれて集結。はたしてまとまるんやろかと心配になるぐらいに、普通はあり得ないメンバーです。率いるは“ゴッドマザー”黒沢美香。「教えるなんて横柄な、習うなんて甘えないでね」と冠された彼女のワークショップ参加者から選ばれたメンバーだそう。

ばっちり化粧してセクシーな黒ドレスで次々に舞台上に現れるダンサーたち。いつもと違って…と言うと語弊があるかもしれないが、みなさんお綺麗です。8名がその黒ドレス。お腹の大きいしげやん含む3名は、普通の格好ですが顔が袋で覆われた不気味な姿で舞台下手奥の壇上に並んで立っている。そして、ひとり福岡まな実はキラキラのワンピース姿で冒頭から舞台上に横たわる。という配置。

そして、この大人数があの小さなdBの舞台上、それぞれの魅力を放って一挙みだれ咲いたのでした。とても密度の濃い時間でした。んでもって正直な話･･･、途中で2度ほど泣きそうになってもた。うるうる。大きなお腹で踊るしげやんと黒ドレスダンサーズが舞台脇で思い思いの格好で身体を休めているシーンです。

なんというか、生きざま。踊る女の生きざまみたいなのを見たのです。普段舞台見て泣きそうになるなんて100パーないけど、でも今回の“世代を超えてひとつ舞台の上”、というシチュエーションはとても迫るものがありました。途切れずに受け継がれてゆくんですね。タイトルの「z」は各地で○○ダンサーズの公演をするたびに一個づつ増えていってるらしいです。ここの劇場の存続問題などもあったりするのですが、なにより強力なダンサー遺伝子が連綿と受け継がれているというのは心強いかぎり。しげやんのお子さんなんて生まれた瞬間から踊りだしそうじゃないですか。

振付：
黒沢美香
出演：
あおいさちこ、文、戎敦子、きたまり、北村成美、スウェイン佳子、隅地茉歩、中山登美子、福岡まな実、三林かおる、森本あやこ、山上恵理