ダンス番外
07年3月
梅田ハードレイン
降りた東梅田駅からまだ少し距離があるので小走りに向かう。着いたらちょうど怪紳士Kとtake-bowのパフォーマンスが始まるところでした。ナイスタイミング。
白いスーツの怪紳士Kは先日のコンテンポラリーダンスツアーでもその麗しい声を響かせていた草壁カゲロヲです。主役も務めた維新派を退団してのちLowo=Tar=Vogaという劇団の主宰のほかソロでも活躍中。take-bowは黒子さなえとのオトノカケラでもお馴染みのギタリスト。二人によるパフォーマンスは初めて観ました。ステッキ片手にセンターに立つ怪紳士Kがなにかの文学作品(自作も?)をパフォーマンス豊かに朗読するのをtake-bowのギターが妖しく彩る。すごく面白い。説談説教や祭文読みなどの、今や少なくなっている語り芸を継承するようなパフォーマンスです。
続いて山口よりFRATENN(フラテン)。注目すべきキャラクターを持ったギターとドラムの二人組。ドラムの人は下唇から割り箸みたいな棒が生えているし、ギターの人はしゃべり声が超高音。しかしこの二人の演奏が無茶無茶面白い。ガンガンとばしてゆく怒涛の演奏ですが、けっこういい曲なんですよね。また観たい。
そして、再び高岡大祐+ヤニック・デュポンによる即興演奏。ベルギーからふらっと来日して数ヶ月滞在中のヤニックもこのライブが大阪最後の夜とのこと。東京経由で帰国するんだとか。ちなみにFRATENNの二人は逆に今日朝一からローカル線を乗り継いで東京から大阪入りしたそう。このへんの音楽家達の自由な交流はなんか刺激的です。みんな漂泊の芸能者なんですよね。かっこいい。
さらにまだ時間があるとのことで、出演者入り乱れての即興セッションが始まりました。すごいすごい。いきなりの即興で(←ヘンな言い方ですが)ここまでの演奏が生まれるんですね。区切りが訪れてトーンが変化するようなところで、それぞれが周りにアンテナをはって出だしを探り合うシーンがスリリングで面白いです。あと演奏だけならず、朗読で参加した怪紳士Kもすごい。さっきからすごいしか言ってないけど、すごいもんはすごいとしか言いようがない。すごい。
act:
FRATENN(from 山口) / 高岡大祐+ヤニック・デュポン(fromベルギー/ブラックライトオーケストラ) / 怪紳士Kとtake-bow