康本雅子+岡本真理子『オトギ巫コ』
和服姿の二人が、ぶっ壊れたおとぎ話をブツクサ語りながら踊る。康本は「動き」だけじゃなく、「語り」も非常にすごいと思った。声の質がなんかこう…、よくわからんが独特だ。
偶然にもちょうど、文春新書の新刊で出ている沖浦和光の本を読んでいて、その中に、中世の遊女が身につけていたシャーマンの呪能に通じる様々な芸能について下記引用のように書かれていた。ナルホドナー。セレンディピティ発動。
これら一連の所作(※筆者注:ウタウ、カタル、マウなどなど)によってさまざまの芸能が成り立つのであるが、その始原にあったのは「ウタウ」であった。自分達の願いを神に祈る所作は、まずその思いを「声」に出すところから始まる。(中略)マウ・オドルなどの身体所作は、歌に次いで起こるもので、世阿弥も「舞は、音声より出でずば感あるべからず」とズバリ言っている。(p.104)
ちなみに岡本真理子もかなり呪性を帯びたお顔をしていらっしゃる。前に森下真樹を「巫女顔」と書いたが、岡本真理子は自分の呪力にまだ自覚的でない童女という趣きで、怖い。隆慶一郎『吉原御免状 (新潮文庫)』のおしゃぶのような。
- 作者: 沖浦和光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03
- メディア: 新書
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ちなみにこのADXの会場、アサヒアートスクエアがあるのは浅草。この悪女の民俗誌の、それこそメイン舞台であった。そこでもうヒトネタ、セレンディピティ発動したので、また後日書こう。